病院と施設の違い 看護師の立場から
介護老人保健施設とは
看護師として働いています。病院から施設に転職してから9か月がたちました。
病院時代は、急性期、慢性期、地域包括病棟で働きました。上司の考え方に違和感をもったことや、日々の看護について思うことがあり転職を決めました。
病院はもう嫌だ!楽がしたい!と思い、施設で働くことに決めましたが、病院との違いに驚いたり、体力的にきつかったりと、現在、全く楽できていません!
病院との大きな違い
まず、病院は病気を治療するところです。基本的に治療が終わったらそこで退院となります。
介護老人保健施設は、いわゆる老健と呼ばれ、生活の場となるところです。在宅扱いとなり、住所はもとのままですし、病院を受診する際などは家族の付き添いが必要となります。
前提として、在宅復帰を目指すためのステップとしてある施設ですが、現状では終の棲家となっていることが多いようです。
私の働いている施設も、お見取りを前提に入所者を選定しています。
そのほうが施設にも利益があり、また家族もそれを望んでいるというケースがほとんどです。
私は、病院時代から患者さんの家族背景やその他もろもろの事情を考慮したり深く付き合うことが嫌で、老健なら一時的に入所する場だからそういった付き合いは少なそうだと思っていたところがあったので、一生を終える場所であると知ってがっくりしました。
入所している利用者の一生を看る?!その家族とも長い付き合い!!嫌~~~!!
責任の重さ
普通に生活してくれれば何の不満もありません。しかしそこは高齢者(プラス認知症も多い)すぐに熱を出したり、夜寝てくれず騒いだり、転倒したりします。
そんなとき、まず看護師である私たちに報告が来ます。
介護士さんは看護師に報告すればオッケーみたいなところがあります。(それはそうですよね)
病院なら看護師がたくさんいて、すぐに相談できる環境です。しかし老健は看護師の数が少なく、自分ひとりという場面もたくさんあります。
そんなときに自分がどう指示をだすか、医師に報告するか。まさに、
責任重大=やりがいがある
と感じる人もいると思います。
私はそれが負担でストレスに感じています。きっと自分に自信がないことも大きな要因だと思います。
重労働のワケ
病院は治療がメインですよね。患者さんは基本的にベッドに寝ています。
しかし、老健は違います。
大きなホールに全員を連れてきて、日中はそこで過ごします。
寝たきりや指示の入らない利用者をすべてそのホールに集める必要があります。
寝たきりで一人で移乗ができない利用者は、よっこらせ!!と車いすからベッド、ベッドから車いすというのを毎日、毎食繰り返します。
ベッドにいたらいいじゃん!と思うのですが、介護士さんの人手が足りず、部屋にいる利用者を見守るのが難しいためホールという一か所に集めて見守りをしています。
介護士さんがメインで移乗をしてくれるといっても、看護師も手伝わなければ到底終わる介助量ではありません。
加えておむつ交換、入浴介助があり、重労働を極めています。
介護士さんたちが腰を痛めながら頑張っている姿を見ると、本当にせつなくなってきます。
私は、腰にベルトを巻いて頑張るくらいになる前に辞めてしまおうと心に決めています。
自分の体は一番大切ですし、体が資本ですからね。
病院は病院で大変なところがたくさんあるように、施設は施設で大変だということをこの転職で学びました。
そして、きっと楽な仕事はそう無いということも実感いたしました。
転職サイトを覗きつつ明日の夜勤に備えていこうと思います。